企画お題 『血液型別ジンカイ小説 B×O 編 』(のつもり)です;
別名、『B型×カイト型 編』かも; ジンのB型的心情中心。


B型の男性:
<性格>
才能と情熱に溢れ、決断力があり、目標に真っ直ぐ突進する頼もしいリーダー的存在。
何につけても切り替えが早く、自分で自分を納得させてすぐにいつもの自分を取り戻せる自信家。 興味を持った事には高い集中力で熱中しますが、興味に一貫性は無く、興味のないことに我慢して向き合うことは出来ません。

<仕事>
柔軟で企画力に優れ、独立すると大成功を納めることもありますが、器用なので何にでも首をつっこんでしまい、あぶ蜂とらずで失敗してしまうことも。
どんな仕事でも上手くやるには、何事にも堅実なO型男性の力を上手に借りると良いようです。

<恋愛>
一見浮気性に見えますが、根がテレ屋なため肝心の口説き文句が口に出来ず、プレイボーイになりきれません。
開放的で気さくなので友達づきあいから発展し、友情と愛情の境界線が分からないままいつのまにか恋人同士になり、気がついたら結婚していたというケースも目立ちます。
元々マイペースなので無意識のうちに相手が自分のペースに合わせるのを望み、相手が変化についていけない場合は失恋してしまうことも多いようです。


O型の男性:
<性格>
自分自身に負けることを最も嫌う、高い目標意識と強い向上心を持つ努力家。
他人の力をあてにせず、持ち前の精神力と、枝葉末節に拘らない臨機応変さで困難を乗り越えます。
一転、対人面では人間関係を大切にし、明朗で愛情のある人です。
他人の気持ちを尊び、例え自分自身が損をしても、人のために骨を折ることを惜しみません。

<仕事>
手抜きのない仕事ぶりで、熱心にこつこつと仕事をこなし、組織の中より一匹狼の方が実力を発揮出来るようです。 ライバルが自分よりかなり勝っていても、勝負から決して降りない根性を持っています。
あくまで実力主義で自力での成果を評価される事を望み、人に取り入っての成功などは望みません。

<恋愛>
不器用ですが一途でストレートな熱意と情熱で、いつの間にか相手にとって無くてはならない存在になります。 包容力があり、愛する人を守り包みたい気持ちが人一倍強いようです。
嫉妬や不安を表に出すことを恥じ、悩んでも自分の中で葛藤しつづけるだけで、相手を問いつめたりは出来ません。 恋愛を長続きさせるには、相手に自分の気持ちを効果的に伝える努力が必要なようです。


〜某血液型占いより


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「俺が髪を切らない理由(ワケ)」
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麗らかな春の日差し。
開けはなられた窓から、南風が甘い花の香りを運んでくる。
飾り気はないが清潔に掃き清められた部屋で寛げば、
まだブランチを終えたばかりの時間というのにもう眠気が差してくる。
今朝は春風よりも甘い蜂蜜色の抱き枕を抱えながら、好きなだけ
朝寝をしたというのに。
眠気に身を任せても、どこか心は浮き立ち、陽が中天に差し掛かるには
まだ間がある。さぁ、今日は何をして過ごそうか。

気まぐれに新聞を手に取ると、世の中は今日も騒々しい。
今、巷で話題なのは幻影旅団。
残忍で容赦ない手口で、次々に貴重なお宝を強奪してるらしい。
あまり放っておくわけにもいかないな。
グズグズしてたら、俺が狩ろうとしてるモンまで攫われちまう。
噂に聞く限りでは、旅団のメンバーってのはかなりの使い手揃いらしい。
最近、手応えのある奴に出会えていないし。悪くないハントだと思う。

でも‥‥まぁ、焦ることもないか。
こんだけ旅団の名が売れちまったら色々やりにくいし。
それにこれほどの獲物なら、他のハンターの奴らもチャレンジしたいんじゃね?
他の奴らが上手くやればよし、ダメなようなら最後に俺の出番さ。
だってこんな眠気を誘う心地よい春の日は、家でとゆっくり過ごすのも
悪くないもんな。

以前の俺なら、こんな余裕はなかっただろう。
アイツと暮らすようになるまでは、もっとこう俺、がっついてたよな。
欲しいもんが後から後から際限なく出てくるからさ、ジッとなんてしてられなかった。
だからって焦ってドジ踏むようなマネはもちろんしなかったけど、やっぱどっか
生き急いでたっつーか、ギラギラしてた。
そんな自分も嫌いじゃないし、欲しいものを手に入れなきゃ気が済まない
トコは変わってない。
基本の部分ってのは、そう変わるもんじゃないけどさ。

アイツに会うまでは、その時欲しいものが一番欲しいものだった。
手に入れて、また他に欲しいものが出来れば、今度はそれが一番になる。
その時その時で、一番欲しいもの、一番大切なものがコロッコロ変わってたよな。
すぐに脇道に逸れちまって、主旨や目的が変わっちまうってゆーか。
周りが見えてるようで見えてなくて、捨ててきた者たちの気持ちも
考えてるようで考えてなかった。
今は‥‥‥、俺は今、一番大切なものを手に入れて、そいつは常に傍らにいる。
飽きることも、もっと大切なものが欲しくなることも、多分ない。
一番大事な者と一緒に、二番目に欲しいものを探しに行くんだ。

といっても、これまで俺が一人きりだったわけじゃない。
今までだって大切な仲間はいたし、そいつらとハントすんのは今も楽しい。
奴らとは、いっつも前に目標を置いて、走り、闘い、まぁ月並みに言えば
友情ってもんを育んだ。
アイツとだって、それは基本変わらねーんだけど、前ばっかじゃなくて、
時々横向くとこが違う。
時に立ち止まって、横向いて、向かい合って伝えあって‥‥そういうとこが
違うんだ。
ロクデナシの俺が、そんな相手に出会えたのは幸運で、最高に
幸せなことだ。
でもまぁ、元を正せば俺の目の付け所が良かったってことで、
要は実力なんだけどさ。

俺がそう考えてる間も、アイツはパタパタと部屋を行き来して、
床を掃いてみたり、俺が飲んだコーヒーカップを洗ってみたり、忙しい。
お前、昨日も掃除してたじゃん。何で今日も掃除してんの?
そんな事するより、俺の隣座れよ。
一緒に新聞見て話そうぜ。幻影旅団、お前はどう思う?
手強そうですねって、外に咲く桜みたいな唇に親指をあてて言うかも知れない。
じゃあこっちの、マヌケな空き巣の記事は?
蒼い静かな瞳を細めて、白い頬を綻ばせて、控えめに笑ったりする?

あ――――――もぉ―――‥‥‥カイトぉ、こっち来いよぉ!

‥‥‥なんて思っても、口に出したりはしないけどな。
だって俺、大人だし。
口やかましく指示したり、細かく行動を制限したりすんのは好きじゃないんだ。
そりゃ修行は厳しくするけどさ、それはカイトの為でもある。
アイツもハンターになりたいみたいだから、中途半端な強さじゃ危険だ。
俺が厳しくすればするほどカイトの命を守ることになる。
カイトの為になる事なら、俺はどんなに恨まれようが、厳しく、細かく、
容赦なく指示をするだろう。

でも俺自身のワガママの為に、カイトに何かを要求することはない。
恋人を、自分の思いどうりに扱いたがる奴もいるらしいけど、そんなのは
ただの変態だ。
自分の趣味の服を着せたり、他の奴と親しく話したりすんが気に
食わなかったり、頭おかしーよな。
等身大の着せ替え人形でも作って、大事にしまっとけってんだ。

俺は大人で極ノーマルで、しかも超が付くほど寛大だから、
一緒に暮らしていても、生活上のことは全部カイトの好きにさせてるよ。
放っておいても、アイツは俺の好みや習慣を気にして気を使ってくれるし
これ以上を要求する気はサラサラない。
だからさぁカイト、好きなようにしてろよ。
自分の為に金使ったり、遊んだりもしろよ。ちょっとはサボって寛げよ。
確かに俺は部屋は汚いよりキレイが好きだけど、もーいいからこっち来いよー‥‥。

俺が不満たっぷりな目でカイトを見ると、掃除が一段落したらしいカイトは、
腰に手を当てて部屋の隅に立っている。
次に何をすべきか考えてるようだ。
掃除し忘れたところがないかという風に、ちょっと部屋を見渡す。
蜂蜜色の髪がハラリと細い肩先で揺れて、アイツは鬱陶しそうに
前髪をかきあげた。

あの髪。知ってる?
風になびくとサラサラって、絹の衣擦れみたいな優しい音がするの、知ってる?
奴の体が熱く滾っている時、口に含むと、色そのまんまの甘い蜂蜜の
味がするの、知ってる?
まぁ知らなくたって気にすんなよな。俺だけが知ってりゃいいことだから。

俺は新聞に半分顔を隠し、カイトを眺める。気づけよ―――。
呼んでお前が傍に来るより、気づいてお前から来て欲しいんだよ。
お前が自由に、何にも捕らわれず、100%自分の意思で行動して、
その上で俺の傍にいて欲しいんだ。分かるだろ?
なのにアイツはフイと背中を向けてサイドボードへ向き直る。
次に何をすべきか決めたらしい。ちぇ、鈍い奴。
見ていると、引き出しから大きなハサミを取り出す。
キッチンへ行き、シンクの下からデカいビニール袋を引っ張りだす。
手にしたハサミで、ビニール袋の底にチョキチョキと穴をあける。
ちょうど、アイツの小さな頭が通るくらいの穴を‥‥。

‥‥‥? 何するつもりだ?
訝しく思う間にも、アイツはキッチンを後にして今度は洗面所に向かう。
壁に遮られ、カイトの姿が俺の視界から消える。
まさか‥‥!
俺は憤然と立ち上がると床を蹴り上げ、猛ダッシュで洗面所へ走った。


「カイトっっ!!!!!」

俺が鏡の前に立つカイトの姿を視界に捉えた時、奴はまさに
髪にハサミを入れようとしていた。ちょうど耳の真横にハサミを当てている。
やはり、バッサリやる気だったんだなっ!?
頭からビニール袋をスッポリかぶったテルテル坊主みたいな格好で
カイトが振り返える。
そのままの勢いで手からハサミを叩き落してやろうとしたが、
俺の形相に驚愕したカイトの目が真ん丸に見開かれ、一歩退いたのを見て
俺は我に返った。

「ぁ‥‥」

言葉に詰まる。

「‥‥」

「‥‥」

「あの、なに‥‥?」

「‥‥あ―――‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ヒゲ、剃りたいんだが」

カイトは、「あぁ」という風に一つ頷いて、数歩場所を空けるが
まだ表情は困惑したままで動きはぎこちない。
それでも俺と並んで立ち、鏡を共有するつもりらしいが、
俺はグイグイとカイトを押しのけ、鏡のまん前に立った。

「‥‥」

「‥‥」

モゾモゾと鏡の前で競り合うこと数秒。俺は頑として場所を譲らない。
奴は諦めたように洗面台にハサミを置いたが、小さな溜息は
聞こえなかったことにする。


「髪、切るのか?」

「はい、いい加減長すぎで鬱陶しいから」

「そうか。でもそりゃ‥‥どうかな。賛成しかねるな‥‥」

「‥‥」

「‥‥」

「‥‥どうして?」


そらきた。どうしてって、そりゃ‥‥‥



俺がお前の髪を、気に入ってるからに決まってるだろっ!!



‥‥なんて、言えるわけねーーっ!!!


「いちいち教えないと、そんなことも分かんねーのか」

「‥‥‥すいません。でも‥‥」

「でも、なんだ」

「‥‥ぁ、あの‥‥‥髪、どうして‥‥」

「‥‥‥‥」


先ほどまでの心地よい空気も一転、部屋はジットリと湿った空気で満たされた。
意地とプライドに追い詰められた俺は、ほとんど泣きそうだ。

「‥‥‥‥だから、その‥‥これも修行の一環てゆーかだな‥‥」

「修行?」

俺が俯いてボソボソ言った言葉に、奴の目がキラリと光る。
そうだ、カイトはこの言葉に弱い。
適当に言ってはみたが、我ながら良いセレクトだ。

「あぁ、もちろんだ」

「修行‥‥」

「うん、そう。修行だよ修行、何事もな。‥‥‥‥あのな、カイト。
お前は大分成長したし、昨日の組み手もなかなかだったが俺から
見りゃーまだまだ未熟だ」

「うん、はい」

奴は素直に頷く。とゆーか、俺は馬鹿だな。
慌てる必要なんてどこにもなかったんだよ。
だいたいコイツは、俺を疑うってことをしない奴だ。
もうこうなったら俺の独壇場。出任せが次々と頭に浮かぶ。

「戦闘ってのはな、目で見ちゃダメなんだ。
刃物みたいに感覚を研ぎ澄ませて、心で感じる!
だがお前はまだ敵の動きを目で追おうとするから
視界から敵の姿が消えれば、動揺して一瞬動きが止まる。
だから僅かとはいえ視界を狭める髪を伸ばして、悪い条件の中で
修行を積む必要があるんだよ。
髪が目を覆って邪魔しても、敵の動きを把握できるようになるまで
髪は切らない方がいい。分かるな?」

‥‥‥嘘だけど。大嘘だけど。こいつの感覚と反応の鋭さは抜群で
もう目隠しして闘ったところで、なんら動きには支障ないんだけど。

「‥‥なるほど‥‥‥」

カイトは大きく息を吐く。
髪を絡めた指を、顎の辺りでキュッと握り締める。

「ジンさん、ありがとうございます」

真っ直ぐに俺を見上げ言ったカイトの言葉に、俺は厳しい顔で頷いた。




ホッとしたのも束の間、カイトはガサゴソともがくようにビニール袋から
抜け出ると、洗面所に吊るされた胴着に手をかける。
おいこら、今度は何する気だ。

「おい‥‥」

「じゃあ俺、早速。何か今の感じ、忘れたくないし」

「待て待てカイト。そりゃダメだ」

「‥‥?」

勇んで出口に向かおうとしたカイトを、俺は慌てて引き止める。

「疲れた体で修行したって身にならん。
修行はグッスリ眠ってバッチリ起きて、5時間後から始めんのがベストだ!」

「いや俺、疲れてなんか‥‥それに昨日は‥‥‥」

う。

確かに昨日は、早朝特訓とか言って寝てるコイツを叩き起して外に出たっけ‥‥。
だって昨日は、起きてすぐ水浴びしたい気分だったんだからしょーがねーだろっ!
家のシャワーじゃダメだったの!
春一番の早朝にだけ咲く花のある湖で、お前と水浴びしたい気分だったのっ!!
今日と昨日とじゃ俺の気分が違うのっ!!

「‥‥カイト、俺をあんまり困らせるなよ。
俺はお前の体調、自分でも気づけないオーラの疲労レベル、天候、気温、
湿度に朝メシの献立まで考慮に入れて判断してんだぜ?」

「あ‥‥‥そか‥‥すいません」

胴着を掴みかけていたカイトが手を下ろす。

「分かりゃいいだ。今度から気をつけろ。向こう行ってソファで休め」

「‥‥はぃ‥」


俺が洗面所から追い出すように手を振ると、カイトは肩を落として
洗面所から出て行った。

‥‥‥‥‥ちょっと、やりすぎたかな。

でもさ、しょーがねーよな。
アイツ我侭なんだもん。
掃除してる間中ずっと待ってただけでも、俺って相当我慢強いぜ?

フンと鼻を鳴らしてシェービングを手に取る。
ヒゲを剃りに来たと言った手前、剃らないわけにもいかない。
―――もー面倒くせぇな。
鏡を覗きこみ、しかしツルリとした頬の男が映ってやっと思い出しだ。
メシの後‥‥‥つまり、ついさっき。
俺はヒゲを剃ったばかりだったということを。






「あーサッパリした。剃り残しってのは気持ち悪ぃからな――」

モゴモゴと言い訳しながらリビングへ戻り、奴に並んで腰掛ける。
カイトは目を伏せ口を結び、パタパタと小さく足を遊ばせている。
‥‥‥そんな顔が見たくて隣に座らせたんじゃない。
怒ってんのか? 怒ったのかな、怒ったのか?カイト?

「‥‥‥あー、今朝の新聞、見たか?」

恐る恐る切り出せば、カイトはポカッと顔を上げて、俺を見上げる。
薄く唇を開き、興味深げな表情。良かった。怒ってはないか‥‥。
いや、当たり前だよな。俺、怒らすような事してねーし。‥‥多分‥‥。

「いえ、まだ」

「そっか、幻影旅団がまた暴れたってよ」

「へぇ、半年振りくらい?」

「うん、だなー」

「手強そうですね‥‥ハンターサイトで詳しい情報、更新されてるかな」

「興味あるなら後で見てみろ」

「ん、はい」

「‥‥‥」


採れたての、蜂蜜色の恋人。
甘い金の糸が南風に揺れる。
聡明な瞳が文字を追い、桜色の唇が僅かに音を追う。

さっき俺を見上げた表情。
口付けを受け入れる艶を感じた。
思いとどまったけど、早まった鼓動はなかなか元に戻らない。
あぁ、萌えいずる春の日ってのは、どうしてこうかなぁ‥‥‥。

見つめていると、紙面を追っていたカイトがふいに俺を振り返る。
さっきまではあんな鈍かったくせに‥‥。
小生意気に澄ました鼻先が、忌々しいくらいにソソる。
同時に、疑うことを知らない無垢な表情に、チクリと胸が痛む。

「なんですか?」

「いや‥‥喉かわかねぇ?」

「そうですね。コーヒー淹れますか」

「あーいいよいいよ、俺が淹れる」

「でも」

「いいって、お前は修行の為の休憩中だろ?」

「はは、そっか‥‥」

頬を綻ばせたカイトを残して、俺はキッチンへ向かう。
‥‥‥‥‥勘違いすんなよ?
別に罪悪感を感じたからサービスするわけじゃない。
俺の淹れるコーヒーは美味いし、カイトは髪が長いのが似合うし、
今日はカイトと二人でゆっくり寛ぎたい気分だったんだし、
だからあれは、仕方のない嘘だった。
それにアイツも優秀なハンターを目指すなら、我侭ばっか言ってないで
少しは人の気持ちに合わせて行動する必要があるしな。

コーヒー豆の缶を手に取る。豆は今朝、あいつが挽いたばかりだ。
庭に乱れ咲く花と香ばしい香りが混ざり合い、なんとも良い気分。
俺は手際よく、揃いのマグカップを温めた。
アイツはまだガキだから、ミルクを少し。
俺のカップには、砂糖を一つ。
背後のリビングで、カイトはまだ足をパタつかせながら新聞を見ている。
そう、アイツはまだまだガキなんだ。
大人の男の心の機微ってもんが、分からなくっても仕方ない‥‥。
細く注ぐ湯にコポコポと豆が泡立ち、部屋中にコーヒーの香りが満ちた頃。
どうやら奴もマヌケな空き巣の記事を見つけたらしい。
カイトが小さく肩をすくめ、クスリと可笑しげに笑った気がしたから。


end.                      (050414)
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ほんとごめん。

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