風 邪 の 功 名

by SORYU KAI -sama



うだるような、暑さ。そんな表現がぴったり。 しかしそれは外の話。カイトの寝ている部屋は風通りも良く、案外涼しい。 それが、カイトへのジンなりの配慮なのかと思うと、少し笑えた。 夏風邪プラス夏バテで、かなり参っている自分を少しでも心配してくれているんだ、なんて。 自惚れかも知れないけれど、とても嬉しかった。 そんな嬉しさが滲み出てしまったのだろうか。意識せずとも、顔がにやけてしまう。嬉しい。 「なァにニヤニヤしてんだよ」 「!?」 この人は時々心臓に悪い。 ジンがいるからこそ、こうして無防備に寝ているというのに。 安心させている本人が驚かせてどうするんだ。文句の一つでも言いたくなってきた。 しかし、言えるはずが無い。勝手に安心して勝手に驚いたのはカイトの方なのだから。 それでも妙な理不尽さを感じて。誤魔化すように起き上がってジンと向き合うように座った。 「アイツは帰ったのか?」 「あ、ハイ。さっき帰りました」 ジンの言う『アイツ』というのは、先程までこの部屋にいた薬屋のことだろう。 ただの薬屋のくせに、医者よりも適切な診断と対処をする男なのでジンもカイトも随分と信頼している。 口は悪いが、いいやつ、なのだ。一言で言うと。 しかし、ジンの表情はあまり面白そうではない。どうしたのだろう。 「ジン…さん?」 「なんでもねぇよ」 怒っている。というよりは…拗ねている?そんな感じだ。 突っぱねるように一言だけ返され、カイトはそれ以上突っ込むまいと押し黙った。 こういうとき、深く追求するとジンはさらに機嫌を悪くするのだ。今までの経験がそう言っている。 カイトは熱のせいか、ズキズキと痛む頭を押さえて再び寝る体勢に入った。 「大体よぉ…」 「はい?」 ぽつり、とジンが呟きだした。 また起き上がるのは流石につらいので、カイトは顔だけをベッドの近くの椅子に座るジンに向けた。 「おめぇは誰に対しても無防備すぎんだよ…」 ぽつ、と零れてカイトの耳に流れてきた言葉。 ええと、それはつまり。やきもち、ですか。ねぇジンさん。 普段、ジンは嫉妬などしない。いや、しているのかもしれないけれど、カイトにはそれが感じ取れない。 それなのに。そんなジンが嫉妬心を垣間見せ、背中で照れてみせる。 それが、不謹慎かもしれないけれどとても嬉しかった、なんて。 多分言ったら怒られる。でも。 「ありがとうございます」 思ったよりも淀みなく。 想像していたよりも優しく。 感謝、というかなんというか。 とりあえず礼の言葉が口をついた。嬉しかったのだ。 誰かが自分のために嫉妬する、なんて。初めてで、嬉しくて、温かくて。 無性に抱き締めたくて。 きゅう、とカイトに背を向けているジンに抱きついた。 自分よりも少し低い、ジンの体温が心地いい。 今、ジンがどんな顔をしているのかカイトからは見えないが。手に取るように解かるのはなぜだろう。 困ったような、照れたような、怒ったような、喜ぶような。きっと複雑な顔をしているだろう。 でも、きっと笑っているのだと感じるのはなぜだろう。 「ジンさん」 「……ん」 「好きです」 「……………………おう」 end.                   ------------------------------------------------------------------------------------------------- あっついわーvvvvv いやはやイヤハヤッ! あっついわーvvvvv ←分かったから止まれ; つーかさ、これはジンが良くないよねー! 他の男とカイトさんを二人っきりにしてさぁっ(←お前はドコのオバサンだよ;) んで焼き餅やいちゃってんだもん‥‥‥くすっvv まーでもそれで浮気しちゃうようなカイトさんじゃないですよねーvvv ヽ(´ー`)ノ ヽ(´ー`)ノ ←だから止まれ; もーラブラブ全開で大満足なんですがっ 可愛いよぅ、可愛いよぅカイトさんっ‥! 薬屋さんが帰った後、すぐにジンのこと考えるカイトさん。 薬屋さんの友情を信じきってるカイトさん。(←や、だから友情なんだってっ;) ジンの機嫌の悪くなるスイッチをよく知ってるカイトさん。 そして(珍しく?)ジンの焼き餅に気づくカイトさんvvv (ジンの言葉も背中で照れて〜の一節も大好きですっ) 嬉しいよね、嬉しいよね、ジンが焼き餅やくだなんてさ。 だからカイトさんには素直に「嬉しい」って言っていただいてですね、 とりあえずジンを怒らせてみてはどうかと思うわけです。そして サックリお仕置きされてみては(強制終了っ;;) ‥‥何か不適切な発言があったようですがお気になさらず; んでやっぱり最後のとこが一番好きです。 ちゃんと態度で現すカイトさん。 こんな風に素直になれるようになったのは、やっぱりジンのおかげかなって。 きゅうって‥‥きゅうって‥‥‥vvvvv そしてそしてそして‥‥‥‥vv 静かで優しい時間が流れてる感じがしました。 二人ともすごく優しい気持ちになってるのが伝わってきます。(や、勝手に;) どんな顔してるんだろう、ジンさん。 「おう」って、すごくジンらしい受け答え。 はぁ‥‥‥‥vvvvvvv やっぱりきっと笑ってるんだろうなー! メチャクチャ照れて、でもちゃんとカイトさんに答えるジン。 カイトさんの安心が伝わってきて私もすごくすごく癒されました。 蒼龍様、素敵小説ありがとうございました‥! (040817) →残暑バンザイ企画 INDEXへトップ