夏 の 天 敵

by SORYU KAI -sama



何に対しても、不器用なヤツってのはいるもんで。 今、俺の目の前に転がっている男もそんな不器用人間のひとりなんだろうなぁ、とか考えたりして。 「馬鹿だよなぁ、おまえも」 「…うるさい」 「夏バテ?」 「……それ以外の何に見える…」 「夏風邪、自覚してねぇのか?」 「……………………?」 「あー、重症だこりゃ」 今俺の目の前のベッドに転がっているのは、美しい金髪青年。といえば聞こえはいいのだろうけど。 実際はカイト。ただのカイトである。…失礼?そんなことねぇよ。 長いパッと見金髪。よく見れば限りなく金に近い薄い茶髪の青年は、今ベッドに臥せっている。 まあ、ぶっちゃければただの夏バテ+夏風邪なんだけど。 しかも、本人は夏風邪を自覚してねぇからタチ悪い。 夏バテは栄養のあるもん食ってりゃなんとかなる。実際俺も最近夏バテ気味だ。 これ、ゼッテェ残暑のほうが厳しい。 俺も基本的に暑さに弱いらしい。そんなことはどうでもいいとして。 「お前が倒れるなんて珍しいなァ?」 「…………………リュウ、楽しそうだな?」 「そりゃあもう」 流石に、『倒れたから来い』とか電話がかかってきた時は多少慌てたが。 着いて見ればただの夏バテ+夏風邪。 普段俺の栄養面とか睡眠時間とかに文句を言ってくるお母さんな一面を見せるカイトがこうして弱っているんだ。 楽しくならなくてどうする。あはは。 数ヶ月はこのネタで楽しめそうだ。 「とまあ、冗談はさておき」 「絶対本気で楽しんでただろう…」 「黙らっしゃい  えーと、コレが薬な。咳止めと喉の痛み抑えるのと解熱剤  どれも食後に摂るように。とりあえず何か食え。いいな?」 「……………………ああ」 ぼんやりとした顔で返事をされても、全く信用する気にならねぇんだけどな。 俺は苦笑いを浮かべて、今まで座っていた椅子から立ち上がった。 そろそろ帰るか、そんなことを考えながら、俺はその辺に散らばっている紙やら薬やらを鞄に詰め込む。 「どうも信用ならねぇな…  とりあえず薬渡しとくから、ちゃんと飲めよ?なんか食えよ?」 「解かった解かった」 本当に解かってんだろうか、ぼんやりとした目で俺を見る。 その目は虚ろで、焦点が定まっているのかいないのか解からない。 ふぅ、と溜息をつき、俺は一度立ち上がったベッドの近くに置いてある椅子に再び腰掛けた。 「おまえってさぁ、他人の心配はするけど自分の心配はあんましねぇよな」 「……そうか?」 「ああ、今回が良い例だろ  普段俺には食生活がどうとかって言ってくるけど、自分のことは二の次  それじゃあ体壊すのも無理ねぇよ」 「…………………」 俺の言葉に、カイトは考え込むように視線をはずした。 やっぱり自覚してねぇ。 それがカイトらしくて、少し笑えたなんていうのは秘密だ。 「ま、要は他人の心配もいいけどたまには自分の心配でもしてやれよ、ってことだ  じゃ、俺は今度こそ本当に帰るからな  金は口座から引き落としとくから」 そもそも何で医者なんかじゃない俺が駆り出されてんだよ。 俺は薬屋であって医者じゃねぇんだ。 医者ならその辺の町にでも、いざとなればハンター協会にも腐るほど居るだろ。 ジンやカイトならそのへんに顔は通じると思うんだけど…。 まあ、信用されてる、ってことなんだろうな。残念なことに。 「リュウ」 後ろから俺の名前を呼ぶ声がする。まあ、部屋にはカイトしかいねぇんだからカイトなんだろうけど。 ドアへと向けていた足を止めて、くるりと振り返る。やっぱり赤い顔でベッドに寝ているカイトしか視界には入らない。 無言のままカイトの次の言葉を待つ。中々出てこない。 「何だよ」 ぶっきらぼうに言い放つと、カイトは一般的には整っていると分類される顔を綻ばせて、笑った。 「ありがとう」 不意打ち。卑怯だぞコイツ。 あんまり見せないような柔らかい笑顔、とか。 優しく紡がれた感謝の言葉、とか。 そういうのに、俺が弱いのを知っているくせにそういうことを言うから。 「……………………ああ、早く治せよ」 不覚にも、俺はこれくらいしか言えないじゃねぇか。馬鹿野郎。 end.                   ------------------------------------------------------------------------------------------------- 友情ですかっ? 友情夢ですかっ!? ホントに友情しか存在しないんですかっ!!?(←ウルサイヨ) いいのにっ!好きにしてくれていいのにっ!!(←?;) だって夏だしっ!何事も経験だしっ!!(←??;) アナタが望むなら私、何されたっていいのよーーーっ!!!(←???;) つーか「黙らっしゃい」って台詞に萌えたのって私だけ?ねぇ私だけ??(←お前が黙れ) カイトさんに向かってなんてことっ! カイトさんに向かって「黙らっしゃい」なんてリュウさんアナタっ 最 高 で す ☆ や、いつも壊れててスイマセン; だってリュウさんてば、どうしてどうして何もしないで帰れるの? カイトさん弱ってんのにっ!美味しく扱いやすくなってんのにっっ!! うぅぅんもぉぅんっ!!見かけによらず(?)硬派なんだからっ!!ウフウフvvvvv (他様のオリキャラ、好きなように言ってます; マジすいませ‥;;;) リュウさん、ホモなのかな、そうじゃないのかな‥‥(←呟きモードで可愛く言ってみてもダメですよ) 恋愛で気になる人居ないみたいだけど性別には拘らないって言ってたしぃー(←語尾伸ばしてもダメですよ) つーかやっぱりカイトさん可愛エエー‥‥。 タメ口で憎まれ口なカイトさんイイー‥‥。 自分の体にテキトーで不器用なカイトさんもイイー‥‥。 「ありがとう」なカイトさんもヨスギー‥‥! はぁもぉとにかく萌えましたっ! 素で読んでも(勝手に)妄想モードで読んでも サ イ コ ー ですっ☆ (040817) →残暑バンザイ企画 INDEXへトップ