「DRUG STORE HUNTER×HUNTER」-06
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数日後。
郵便物の中に検査結果の封筒を見つけたカイトは遣る瀬無い溜息をついた。
あの日の翌朝、目覚めると体にその形跡はなかった。
不思議に思ってジンに目で問うと
「俺も寝ちまった。ずっと口に含んでたから少し溶けたんだろ。不覚だったな」
とあっさりした返事。ジンにしてはドジを踏んだものだと思いながら朝食を作り
二人して食べ終えるとソファで本を開く。
「お前、検査行かねぇのか」
「はぁ‥‥もういいです‥‥」
疲れた顔で答えるがジンが許さない。
「俺に一服盛ってまで行きたかった検査だろうが!早く行けっ!!
ちゃんと検査を受けてるか、後で協会に確認すっからなっ!」
凄みの効いた声に脅されてトボトボと家を出た。
しかし思ったとおりまだ薬が残っていて念の検査は散々だった。
内診の医者が鎖骨に残った歯形をチラと見て、気にも留めない様子で
淡々と話すのに背中を丸める。
悄然として家に帰りいつもは楽しみの検査結果を憂鬱な気持ちで
待った。
ノロノロと封を切る。
プリンターから出力された活字の検査結果の数字が並ぶ。
念の純度は‥‥
『不純物:32% 評価:B+』
あぁー‥‥俺の4年連続AAAの記録が‥‥。
さらに活字は続く。
『無認可の薬剤が検出されました。
夜眠れないなどの自覚症状がある場合は専門医に相談しましょう。
ハンター協会メンタル相談室
連絡先:××-××××-××××』
項垂れ肩を落とすが、その先に書かれた手書きの文字に
惰性で目を通す。
『カイト君へ
あまりおかしな薬をジンに使わせないように。
命に関わりますよ。 ノヴ 』
カイトはガックリと床に手をついた。
→end. (040521)
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えっと、最後のノヴさんの署名に意味はないです。
何かあの方、お医者さんっぽいなーと思っただけで^^;
会長の側でコキ使われてそうだし検査にも駆り出されたかな、と(笑)
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